2007.07.26

訃報

Photo_13

悲しいお知らせです。
「善き人のためのソナタ」のウルリッヒ・ミューエが胃癌のため7/22に
54歳という若さで亡くなりました。


本作品ではヴィースラー大尉を演じています。彼の奥深い人間の良心の葛藤を見せつけた演技の懐の深さに感動した方々が多かったのではないでしょうか?

彼自身シュタージに監視されていて、数年に渡ってIMをつけられていたそうです。
妻であり女優のイェニー・グロルマンに十数年間密告され続けていたという事実を彼は2001年に知ります。夫人はこのことを否定し、シュタージがニセのファイルを作ったと主張していますが、ドナースマルク監督によれば、夫人がシュタージにかかわっていたことを詳細に記したファイルは254ページにもわたるそうです。

自らの過去もまたこの映画と切っては切れない縁があったのですね。
厳格な規律を守る固い顔から悩み始める顔へ、そして良心に目覚めて「善き人」となるヴィースラー大尉の表情の移り変わりには様々な想いがこめられていたのでしょう。

[アルバトロス・フィルム] | 固定リンク